コロナ禍になってストレスが溜まっているのか、怒りっぽい人が多くなったような気がする。
それは自分も含めてだ。
普段はそうでもないのだけれど、優しさのない人や顔や態度に出やすく高圧的な人に出会うと腹が立つ。
やるかこの野郎?
そんな気持ちになって気持ちに着火する。
いやだいやだこんな自分。
行きたくねぇ。
昨日は片道一時間ちょっとかけて、高校を午前で早退した次女を連れて大きな病院へ行った。
娘は今は何の問題もないが生れてすぐに心臓の手術をして、そのあと転勤した。
4歳の時に紹介状を持って受診してからから同じドクターにフォローしてもらっていて、病歴やら体質やらすべて把握してもらい本当にお世話になってきた。
この春引っ越しをして45キロほど離れてしまったが、コロナ禍の事情もあって
成人まではその市の総合病院の小児科で診てもらえることになった。
誰でもそうだと思うが総合病院ほど行きたくない場所はない。
今年は二回ワクチンで気を失っているとあらかじめ電話で相談したら細かく調べると言われた。
一年に一度の心臓検査は踏み台昇降や、10分間立ちっぱなしで負荷をかけた後に心電図を測ったり、
毎回娘は結構な疲労感を見せる。
大げさだがなにかこう戦場へでも出向くかのような気合を入れて出向く。
小児科で受付を済ませると、看護師さんに採血、レントゲン、心電図の順番で行ってと言われた。
いつもは順番まで指定されることはなく好きな順番で回れたのと
少し気になることがあったので疑問に思って聞いた。
「今年二回ほどワクチンで気を失っていて、幼い頃も採血で同じことがあったので順番なんですが採血を最後にしてはだめですか?」
私がこう言ったのには理由があった。
ほんの数週間前にインフルエンザワクチンで待合室で気絶した。
その後しばらく吐き気が収まらず点滴して帰り、翌日も不調が続いて学校を休んだ。
「たぶん毎回針を刺すたびに同じようになるから次回から必ず細かく病院で話してください」
そんなことを言われていた。
もしも最初に採血をして前回のようなことになったら、その後の踏み台昇降や立ちっぱなしで負荷をかけた心電図なんて出来なくなるだろう。
過去にこの小児科で採血中にはじめての気絶をした。
血管が見えないから反対でやると言って腕をバシバシ叩いて、針を刺した瞬間に血の気が引いて白目をむいた記憶が未だに娘には残っていてちょっとトラウマになっている。
せっかく一時間かけて検査に来たのだからできるだけリスクは避けたい。
なので採血は最後じゃだめですか?
こういう内容を少し話しただけで受付の看護師さんは瞬時にイライラを顔と態度に出した。
「え?どういうことですか?」
めっちゃ腹を立てた口調だった。
なんで瞬間的にこんなに強い言い方になるんだろう。
たぶん私がめんどくさい事を言う親って感じたのだろう。
申し訳ないのですがかくかくしかじかで・・・
私の言い方もひろゆきくらいまくしたてていたし、
相手に負けじと強くなっていく。
なんで分かんないんだろう?
また気絶して検査が出来なくなったら病院にだって面倒かけるから言ってるのに。
内心はこんな事を思ってムカついていた。
看護師さんはめちゃくちゃ不満そうな口調と態度でドクターに聞きに行って、採血は後回しになった。
なんかすいませんと言う感じで先に心電図の検査に行った。
ニンゲンがちいさなわたしだった。
総合病院は不安な気持ちで待つ人がほとんどだ。
長い検査と待ち時間。
まな板の上の鯉のような心境。
誰だって好きで体調が悪いわけではない。
少しでも分かってもらいたくて体調について説明してるのだ。
たぶん混雑した採血の結果待ちを考えると先にやったほうが効率はいいのだろうし
どう考えてもスムーズなのだろう。
だからわざわざ採血からやってくださいと言ったのだろう。
親がこうやって検査の順番まで変えるくらい甘やかしてるから、採血ごときで気絶するんんじゃない?
そんな呆れたような半笑いをにじませた態度が感じられた。
きっとこれも私の受け取り方なのだ。
そんな事を面と向かって言われたわけでもないのに、勝手に相手の態度から想像しているだけなのだ。
もしかしたら遠くから来てるから早く帰れるように親切で考えたのかもしれない。
いろいろ気をまわしすぎて親が指示を出すのは、でしゃばりすぎだったのかもしれない。
そうは思いながらも、冷たい口調と態度を目の前にするともやもやしてしまう。
こと子供の事となるとイライラが出てしまう小さい私だった。
結局採血も横になって、やってもらい何事もなく終わった。
ニンゲンがおおきい。
ドクターに呼ばれた。
「○○さん。お元気でしたか?」
ドクターはエコーをやりながら本人にユーモアを交えて説明してくれる。
毎回、心臓の動き、サックスを吹くとここがふくらむとか
難しい事を私ではなくて娘に敬語で分かりやすく話し説明してくれる。
リラックスさせながら自分の体についてきちんと理解できるように話してくれる。
「来年またお会いしましょう。○○さん、サックス頑張って優勝してくださいね。」
検査が無事終わり、優しいドクターと挨拶して帰ってきた。
また1年後まで会わなくても済むことになった。
長い1日が終わり外は真っ暗。
病院の近くの定食屋のバエないけど激うまな味噌カツを食べた。
疲労と安堵感。
喉を詰まらせ食べる娘を見ながら少し反省した。
激務の中、変わらずに心穏やかな口調のドクターを見習って
来年はあまりイラっとしない人になりたい。
ココ