私と父は誕生日が1日違いだ。
結局20年以上会っていないのだから、何の因果かと思ってしまう。
母は、
「ぜったいに忘れないように近い日に産まれたんじゃない?毎年思い出してるでしょきっと」
そんな風に言ったりする。
毎年のように1日違いの誕生日が近ずいてくると
「ああ今年も思い出す儀式が来るぞ来るぞ」と複雑な気持ちになっていた。
父は2月1日
私は2月2日
そんな2月生まれに20年前息子が加わった。
今は離れて暮らす大学生の息子は7日生まれだ。
内心「3日じゃなくて惜しい」とちょっとだけ思った。
発想が奇抜で独創的なところが父に似ている。
やはり血は争えないなと思いながら育てた。

この息子の誕生日はケーキを作ることが多かった。
3人の子供がいても、全く同じようにはしてあげてない部分も多く今思い返すと不平等な母だったと申し訳なく思う。
長女にはまだ子育てが慣れず買ったものが多かった。
2月は家庭内に誕生日が2人ということもあって なんとなく手作りの方向にむかったのかもしれない。

毎回夫がケーキに絵を書いた。
ケーキ自体は褒められるほど上手でもないので、絵師によって特別感を出した。
嬉しそうに吹き消した後は、男の子なので惜しむことなくすぐに食べるのが潔かった。

考えてみれば永遠に子育てが続くと思っていてもあっという間に家を出ていくものだと実感する。
おそらくこの先子供3人と全員一緒に住むことはないしそれが当然だと思う。
父も誕生日を思い出しているのだろうかと思いながら今日はケーキを食べようと思う。
ココ