生きる

親ガチャ子ガチャ。スタートだけは自分で決められない。

煙草を吸う女の子生きる

親ガチャという言葉が流行っているが、子ガチャもあるだろうと思う。

出来損ないだった。

自分はたぶん人と違う変わった子どもだった。
3歳まで一言も話さなかったらしい。
周りが心配して病院で脳を調べてみろとか、神様と言われている霊媒師に相談しろと勧めてきたが母は断固拒否したようだ。

今で言うグレーゾーンな子どもだろう。はじめての子どもがそんななら悩み多き子育てだったと思う。

猫が1匹いていつも私のそばにいた。
横でこぼした食べ物を拾って食べたり一緒に遊んでいた。
喋らない私は猫とテレパシーで会話していたのかもしれない。
だいぶ気を揉ませたんだろう。

保育園のノートには動作が遅くみんなと同じことができないと書かれるような子供だった。

小学校に入るころようやくしゃべりだす。

近所の目つきの良くない上級生の男の子が何人かで迎えに来て私を連れていった。
喜んでついて行ったが母が胸騒ぎを感じ公園に探しに行った。
男の子と2人。
肌着姿で並べられからかわれていたという。

お医者さんごっこをされそうになっていた。

今なら大事件だ。当時は子どもの世界と大人の世界は離れていて気づかない事も多々あった。父が怒って主犯格の家の玄関で怒鳴ってきたようだ。

生活面も面倒ばかりかけた。
何度言っても雨のたび傘をなくし、何も持たずに家に帰った。
ランドセルは低学年ですでに傷だらけでボロボロだった。
道路に寝っ転がってアリをいつまでも見ているような子どもだった。
アイスを買いに出かけたまま川に落ち流されて、近所のおじさんに助けられ連れられて帰った。

父に自販機で買ってくるよう命じられたタバコを間違えて買った事で怒鳴られ頬をたたかれた。
その夜寝ぼけてパジャマ姿で家を飛び出しタバコ屋のドアの前にいたらしい。

今まで書いた事は何一つ記憶にない。
親にもかなり非があるように感じる話だがとにかくエピソードだらけの子ども時代だったのだ。


何か問題があるか親も悩んでいたかもしれない。

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あの時代は毒親だらけ。

昔の親は叩く親が多かった。同年代と話すと親にぶん殴られた思い出を語る人が多い。
夫もそうで親はいつも怒ってばかりいて睨まれた顔はいまだに思い出すと怖いらしい。

我が家もいつも殴られた。口答え、帰りが遅い、長電話。
些細な事で飛んでくる鉄拳。蹴り。理不尽。

その頃は自分の居場所が分からなかった。卑屈な気持ちとモヤモヤで暮らしていた。
こんなに殴られ
こんなに怒られ、
こんなに否定される。

自分は価値のない人間なのだろう。
ぼんやりそう感じていた。
やりたい事を見つけてそれをやっているのは、お金持ちや優しい家族がいる家の遠い世界の話だと感じていた。

高校生で父のタバコを隠れてむせながら吸うようになった。
休みの夜に風呂の窓から抜け出して友達の家の倉庫で背伸びして酒を飲んだ。

タバコを吸っているからといって特に不良の集まりなんかじゃない。ただの背伸びをしていた。


尾崎やブルーハーツやRCサクセションなんか聴きながら深刻な顔をして大したことない青春の苦悩を語っていた。

慣れない酒を飲みさんざん吐いて、犬に吠えられ明け方自転車で農道を走る。
馬鹿なことをして騒いでいる小屋の片隅が自由な気持ちになれる居場所だった。


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高2の時、肺炎が長引き胃潰瘍にもなり体調を崩し1ヶ月入院した。
時期が悪く結局修学旅行も行けなかった。

ことごとく不運だったがそれはすべて何かのせいにしたかった。

親だったり家だったり、金持ちの家に生まれないことだったり自分ではない何かのせいだと思いたかったのだろう。とにかく18歳までは上手くいかない事やへこむ事も多かった。

結局、人生は自分のもの。

でも、今なら思う。

家庭による格差を感じる事や親から逃げたい気持ちや悔しさは飛び立つ為の原動力だったのだろう。

親にしてみれば心配な娘。死なせずに育ててもらっただけで感謝だ。
母はいつも不機嫌で怖かった。
なるほど振り返ると心配事の多い子育てだったのだろうと理解できる。


親からしてみれば子ガチャ失敗とも言える。お互い様なのだ。

今、自分なんてと思ったり生きるのが辛いと泣いてる若い子がいたら声をかけてあげたくなる。
18歳を目標に時期を待てばいい。

そして1回そこから逃げろと。
コソコソと脱出に向けて、もがきながら自分の居場所を作る為の準備をすればいい。


いつまでも脳に下書き保存された親の記憶がよみがえる。
でも親も子供もガチャが選べないのは同じ。


自分で働き自分の金で生きてみればいい。

スマホ1台でこんなに情報のある時代。
生きずらいけど今の時代には夢がある。

親ガチャでも子ガチャでも、そんなのどうしようもないし後半こそが長い。

自分の人生。

後半を盛り上げていくのは結局自分だけなんだと思う。

ココ