ココからのブログ

昭和生まれの50代ココです。

格付けチェック。大事なのは格付けよりもとらえ方。

以前テレビを見ていたら、コンビニの商品がシェフの舌でテストされ合格するかという番組があった。

開発した人が祈るような顔で見る中、シェフや批評家の人達が首を傾げたりしながら食べている。

番組を盛り上げるためか、まずそうな顔で食べている。

「なんかムカつく」
「このシェフの店でこういう顔で食べてやればいい」

子供達は非難轟々でめっちゃ文句を言っていた。




それだと番組にならないと思うし、これで不合格でもある程度コンビニの宣伝になっているんだよ。


そう思いながらふと次女が幼稚園の時の事を思い出した。



超絶庶民。

夏のある日。

その日は次女の誕生日。

夜にかっぱ寿司に行くことになっていた。
かっぱ寿司は家から歩いて行ける距離で、親はビールも飲める。
庶民の味方かっぱ寿司
高級ではない。

だがふつうに美味しいと思う。

次女は朝から楽しみにして幼稚園に行った。

数時間後。

幼稚園の帰りのバスが到着した。
カバンを手渡しながら娘はぷりぷり怒っていた。

というか、萎えていた。

どしたー?


理由を聞いた。

バスの中。

今日誕生日だからかっぱ寿司に行く!

そう友達に自慢をしたらしい。
友達や先生が
「いいなー」
「楽しみだね」
と言ってくれている中で1人の女の子にこう言われたらしい。

かっぱ寿司っておいしくないよね」
「冷凍って感じ。シャリもまずいし」
「うちのママがよくあんなの食べる人いるよねって言ってるもん」
「ぜんぜんうらやましくない」


娘の反論も虚しくバスは先に我が家に到着し決着はつかなかった。

肩を落として帰宅となったらしい。


降りがけにその子は
「家はお寿司は〇〇しかいかないもん」

背中からとどめを刺されたその店はカウンターで食べる回らないお寿司屋さんだった。


よっぽど悔しかったらしい。
塩をかけられた菜っ葉のように萎えていた。

〇〇って美味しいの?


「そこのお寿司屋さんも美味しいけどプリンとかデザートは全然ないんだよ。でもおいしいならそっちに行ってみるか?」


「えー嫌だ」

ちょろい娘だった。
でも娘は未だにその幼稚園バスでの出来事を覚えている。

中学の時に給食でオカズに「うわ、なにこれまずい」なんて男子なんかが大声でけなそうものなら

「おいしいと思って食べてる人もいるんだから言うな!オレのお口には合わないって言え」

こんな説教をするようだ。
「お口合わない」がクラスの男子で一時期流行ったらしい。




なんでもおいしい舌。

舌が庶民の話は私にもある。

過去に数年スーパーの魚屋さんで働いたことがある。
全然センスなんかないのだが切るスピードが少しだけ早いという理由だけで刺身のお造り担当になった。
毎日刺身を切っていた。
刺身の鮮度とか味をどんどん食べて確かめろと言われた。
食べてみて本当にびっくりするくらい安いものが口に合った。

大間の本マグロとかしみじみ美味しいけれど、安い赤身が好き。
醤油に油が浮くような大トロもたしかに美味しいがぶつ切りのマグロもふつうに好きだ。
色々な刺身を働いている特権で食べれた。目の前で生魚を捌いてもらい珍しい刺身も食べたが本当に美味しかった。



でも結局冷凍の刺身が安心できる。
ぶっちゃけアニサキスも怖い。
マイナス20°の冷凍庫でしっかりアニサキス退治をした信頼感がいい。
貰えるならガチガチに凍った刺身の柵が欲しい。




毎年、年末に魚屋のチーフがする恒例行事があった。
1000円以上する高級な伊達巻と398円くらいの伊達巻を同じように切る。
2枚ずつ乗ったトレーが配られどっちが高いか当てるゲームだ。


必ず一番先に答えを言わされた。
そして私は必ず安い方を当てた。

「私のお口にはこっちが合います!こっちが高いほう?」

「はーい不正解。今年も舌が庶民だったねー」

これは、おおいに盛り上がった。



残念なくらい庶民的な私の味覚。

でも別に不幸ではない。

なんでも美味しいって思えるのは幸せだと思う。


ココ