ココからのブログ

昭和生まれの50代ココです。

そこはぜったいゆずれない女子。

当たり前すぎる話だが、きょうだい同じように育てたつもりでも、行動や考え方がそれぞれ違ってちょっと面白い。

なぜそこにこだわるのか?

長女と次女はけっこう年が離れているがとても仲がいい。
同じ県内にいるので長女はたまに帰ってくる。
この前も二人でいつまでも延々と話していた。

チョコアイスが3本
バニラアイスが4本

冷凍庫にこんな感じで残ってて、今チョコが食べたいとしてどっち食べる?

長女     そこは普通にチョコにきまってるじゃん。
次女     えー!バランスが崩れるのが気持ち悪いから絶対にバニラだな。

次女は今の欲望でチョコを減らしてしまうよりも、今回はバニラで妥協して次回のために数のバランスをよくしておきたい派だった。

今の欲望に忠実になるか
次の選択肢を増やすか?
でも、うかうかしてチョコがなくなったらどうするの?

ずっと平行線で話していた。
アイスのバランスって何?

私も多分多いほうのバニラを食べると思うのだが、その理由はちょっと次女と違う。

職場などで箱に入ったお菓子の中でどれでも好きなの選んでいいと言われたとき。
なんとなく数が多いのを選ぶ癖がある。


その話をすると長女に言われる。

「あー私も配るけどみんなそうやって遠慮するよねー。素直に好きなの選べばいいじゃん」

分かってはいるのだが。
それでもなんとなく多いのを選ぶのだ。
あまり好き嫌いもないのでどれでも結局おいしいし。
大人の変な遠慮なのかもしれないし、性格が田舎ものなのかもしれない。

でもこればっかりは性分なので仕方がない。

でも次女の多いほうを選ぶこだわりは少し違うようだった。

だれも止められない。

考えてみると次女はまだ幼稚園の頃からそうだった。


我が家は当時、専用の冷凍庫まで用意して大容量の箱アイスを常備していた。
よく買ったのは、パピコやホームランバーやスイカバー。
そしてうずまきソフト。

うずまきソフトにはバニラとチョコとミックスが入っていた。

きょうだいの中の人気ランキングは

1位チョコ
2位ミックス
3位バニラ

選ぶとき息子はチョコアイス一択な男だった。
バニラなんぞには目もくれず迷うことなくチョコを食べる。
自分の欲望に忠実な野生の男だ。

そして長女はその時の気持ちに素直だ。
どれにしようかなと言ってから、冷凍庫の中身が溶けるくらいのんびりと長い間あけっぱなしで優柔不断に悩む。

その悩みには全体のバランスなんてものは考えていない。
考えた末に食べたいものを食べる。

そして次女。

「あーまたお兄ちゃんがチョコばっかり食べてる! 」
「もうー!!!」    

そして、バランスを考えるあまりいつもバニラばかり食べていた。

「わたし、小さいときにうずまきソフトのチョコって食べたことない気がするんだけど」

今になってこんな事を言っている。
知らないし・・・

長女が聞いていた。

「一人暮らしで全部自分のだったらどうする?」

「何言ってんの!絶対に交互に食べるに決まってるじゃん」

私が聞く。

「チョコしか入ってないアイスと、バニラしか入ってないアイスと二箱買ってきたらどうする?」

「そんなの交互に一個ずつ楽しむに決まってるじゃん」

「その日の気分は?」

「少し我慢な日があってもやっぱりそのほうが気持ちがいい」

うーん。
分かるようで分からない。
ちょっとだけは分かる。

小さい事ではあるが。

次女が小さい頃。

一番小さい子なのに、きょうだいにゆずってばかりだとよく褒められていた。

でも今この話を聞くと、譲っていたのではなくて本人のこだわりだったようだ。

こうなってくるとこれは本人の譲れない部分。

辞書を引くと出てくる。
へき【癖】かたよった好みや習性。
これなのかもしれない。

そして誰にでも少なからずありそうな気がする。
よくわからないこだわりや癖。

それぞれの違いが。

そういえば例えば休みの昼なんかにパンを一個ずつ買おうという時も選び方に個性があった。

長女は時間をかけて選ぶ、小さくて豪華な絶対に美味しいパン。
息子は秒で決まる、見た目が派手だったり面白そうなパンかすごく甘そうなパン。
次女はというと・・・

悩みまくり、でっかくて安くて色々入ってたりする得な感じのするパンを選んでいた。
考え抜いてこれなんだとびっくりすることもあった。

パン一個やアイスの選択一つとっても人はそれぞれの考え方があるんだなと
感心させられたものだ。

こんな小さい事ではあるが相手の考え方や、自分との価値観の違いがある。

へーそうなんだー。
そんな風に感じるのね。
なんでだろうね。

そんな風にそれぞれの違いを笑えるって幸せなことだと思う。

その考え方や振る舞いはおかしいよ。


そんな風に批判したり人と喧嘩をすること
相手のすることが許せないと思うこと

これはすべて自分と同じではないことが許せない
自分の希望どうりに相手がしないことが嫌
そんな感情からスタートするのではないか。

娘たちのアイスごときの会話から

おばさんは考える。
でもたぶんこの会話はそこまで複雑な話ではない。

                  ココ