ビクッ!
ニャンコの毛が総毛立つ感じ。
あれに似てる。
怖っ。
怖いものは怖い。
自分でもどうしてそんなに?と思うのだけれど、公園のトイレみたいな暗いトイレがめちゃくちゃ苦手だ。
どのくらい苦手かというと、散歩中に急に腹が痛くなったとしてもたいていは限界まで我慢して家に帰る。
苦手の理由は汚いのが嫌だとか不衛生とかじゃない。
ぜんぜん潔癖症ではないので、そんなのはあまり気にしないタイプだ。
なにより最近のトイレはきちんと管理されている所が多くなった。
それでも漏れそうな限界が来たとかじゃない限り入らない。
というか入れない。
なぜなら誰もいないトイレが怖くてしょうがないからだ。
子供じゃあるまいしと言われるが、こればかりはぶりっこしているとかでもないし
理屈じゃなくて体がビクッと反応してしまう。
高速でトイレ休憩なんかする時も、トイレに人がいないと怖くてしょうがない。
絶対に
「今のうちにトイレに行っときなさい」
なんて言って、自分が怖いから娘たちを道ずれにする。
山歩きしていて自然の中にポツンとある人がいないトイレなんか最悪。
トイレに入るくらいなら熊におびえながら大自然でした方がましな気がする。
薄暗い並んだ個室のドア。
くすんだ鏡。
窓。
乾いた水道。
夫がトイレの外で待っていると分かっていても、数分間が怖くてしょうがない。
終わったと同時に全力で走って外にでる。
なんなら用を足すのもいつでも逃げれるように中腰だし、
手洗いの鏡は1人で入った時は絶対に見ない。
というか、見れない。
怖いから。
個室の中で上を見上げるのも怖い。
トラウマになる怖さ。
子供の頃、私は火葬場の隣が家だった。
周りはたくさんの桜の木と、一本の松の木。
敷地に仏像が納められたお堂や無縁仏があった。
道路からかなり入った場所にあったので誰も用事がなければ近づかないし人も通らない。
となりのトトロで、
「おまえんち、おっばけや~しき~」
ってセリフがあったが、リアルにあれを言われる環境だった。
よく近所の男の子が、怖いもの見たさに探検しに来ていた。
不思議なもので、幼い頃の私はその環境もまったく怖いとは感じなかった。
幼い頃は怖さなど何も感じなかったが、成長と共に色々なものが怖くなっていった。
夏休みにたまたま一人であなたの知らない世界をテレビで見たり、
友達から聞いたトイレの花子さん的な怪談話だったり、
少しずつ怖いが頭に蓄積されていったのかもしれない。
その中でも、決定的に私のトラウマになった漫画があった。
私はこういう漫画が好きでよく読んでいた。
その中でもトイレの話がトラウマになるくらい恐怖で、古い公共のトイレに一人で入ると
ちらっと浮かぶ。
この漫画のせいで50代になった今でも薄暗いトイレが本気で怖い。
でも怖い漫画は大好きだ。
最近の怖いばしょ。
実は最近、よく行く場所に怖いトイレがある。
週3回通っている街のトレーニングジム。
明るくて綺麗なトイレで全然怖くなかった。
はずだった。
でも・・・
最近気になる個室。
入ってすぐの一つ目が、いつも必ずドアが閉まっている。
なのに、入り口で掃き替えるスリッパは全部あるから誰もいないはず・・・
他のドアは開いているのにそこだけ閉まっている・・・
なんで?
怖い怖い。
たぶんしまっているように見えるのはドアの調子が悪いだけかもしれないのだけど
確かめるのも怖い。
用を足しながらかならず頭に浮かぶあの顔。
やっぱり怖いので、いつも小走りになる。
夫は、人がいるかいないかドアを押してみればいいじゃんと言うが
ぜったいに無理。
ココ