ココからのブログ

昭和生まれの50代ココです。

ふたりはともだち。

バカらしいこというなよ。

がまくんがいいました。


いままでだれもおてがみくれなかったんだぜ。
きょうだっておなじだろうよ。


わたしはこの部分が特に好きだった。
子供の音読の宿題。



子供が一生懸命読むのを聞いて
しょっちゅう目頭が熱くなった。

え?泣いてる?なんで!って言われるのでばれないように。

がまくんとかえるくん。




がまくんは今までいちどもお手紙をもらったことがない。

一日のうちの悲しい時間。
空っぽの郵便受けの前でお手紙を待つのが辛いのだ。
かえるくんまで悲しい気持ちになって二人で玄関の前で腰を下ろしている。

あまりにも悲しそうながまくんを見たかえるくん。
急用ができたと家に帰ってがまくんにお手紙を書く。



そしてそれを途中で出会ったかたつむりくんに渡して、がまくんのうちまで届けてくれと頼む。

そこで言うかたつむりくんのセリフもカッコいい。

「まかせてくれよ」
「すぐやるぜ」


かえるくんは再び、がまくんのうちに戻る。
今日はおてがみが来るかもしれないよと言う。


そこでがまくんが言うのが冒頭のことば。


「ばからしいこというなよ」


でもかえるくんはがまくんによろこんでほしいのだ。


きっとくるよ。

「だってぼくがきみに、てがみだしたんだもの。」




まさかの速攻ネタバレをしてしまう。

お手紙はサプライズじゃなかったんだ。



そのあと、がまくんとかえるくんは幸せな気持ちで二人で玄関に座っている。
おてがみが来ると分かっているから。


それから四日後。

かたつむりくんがお手紙を持ってがまくんの家に到着した。




ゆっくりのんびりなふたり。




がまくんは、やることがいつもマイペース。そして生き方がなんとなく不器用だ。
冬眠で11月から寝ていて、4月にかえる君がそろそろ春だよと起こしに来てもまだ寝ている。
くたびれたからまだ寝ていたいという。


違う日は、かえるくんの顔が青いことが心配になる。
元気になって欲しくておはなしを聞かせようとするが、
なにをはなせばいいか全く思いつかなくて焦る。
そして悩みすぎて自分が具合が悪くなってしまう。



そんながまくんにたいして、かえるくんはいつも愉快でやさしい。




なにより私が好きなのは、二人でかたつむり君の配達する手紙を四日も待っていた事。

遅いじゃないかと責めたりはしない。
待つことが出来る心の余裕が素敵だ。

しんあいなるがまがえるくん。
ぼくはきみがぼくのしんゆうであることを
うれしくおもっています。
きみのしんゆう
かえる

かえるくんはおてがみに何を書いたのかおしえる。

そしてふたりで初めてのおてがみが届くのを楽しみに玄関で待つ。




相手を思いやるあたたかいことばがちりばめられた絵本。
読んでいるだけで幸せな気持ちになる。


絵本の中は時間がゆっくり流れているのがなんとも心地いい。




今日は懐かしい絵本が読みたくて家の中を探しても、どこにもなかったので
散歩がてら図書館で借りてきた。

あまりにもいい話で、誰かに教えたくなった。
夜にがまくんとかえるくんのエピソードを教えて
おてがみのくだりを夫に読んだ。

聞きながらすごくねむそうだった。
疲れているのによく聞いてくれたものだ。
つきあってもらってありがたい。


何年ぶりかの絵本の読み聞かせ。




この本は、好きすぎるので自分のために買っちゃおうと思う。


                      ココ


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