どこに行っても混んでいるので、家で映画を見る事にして、帰省していた長女に勧められ鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎を見た。
とても良かった。
親子二代で鬼太郎好き。
小学生の頃だったと思う。
ゲゲゲの鬼太郎はテレビのアニメで週一回くらいやっていた。
もちろん今のようなポップでクリアなデジタルの映像ではなく、暗くておなじみの不気味なテーマソングのやつだった。
家には二台テレビがあったのだけれど、メインじゃないほうのテレビは白黒で足がついていた。
親が見たい番組がある時は、ガサガサして時々映像がみだれる白黒テレビを叩きながら見た。
そんな昭和の子供だった私は、少女漫画よりもゲゲゲの鬼太郎のような漫画が好きだった。
ゲゲゲの鬼太郎は、妖怪たちの悲哀があちこちにちりばめられていて、
一人一人のキャラクターが魅力的で、全然怖くはなかった。
どちらかというと、人間の、それも子供の味方と言った感じで、30分のストーリーの最後は、いつもハッピーエンドだったように思う。
時々は、人間たちの身勝手さを戒める、教訓めいた終わり方の回もあった。
それでも、当時のアニメは子供向けの平和な話がほとんどだった。
親になって長女や長男の子育て中は、しょちゅうゲゲゲの鬼太郎をレンタルして見せていたので、この二人はやはり、母と同じで鬼太郎が好きな大人になった。
今は遠く離れた場所に住んでいても、それぞれが映画館で見て、最後のシーンをどう解釈したか、感想をラインで会話していたようだ。
すごく面白かったと、どちらからも聞いてはいた。
ネタバレは大罪なので、あまり書きたくない。
テレビの鬼太郎とは全く違う、目玉おやじの過去や、鬼太郎の誕生までが描かれている。
砂かけばばあや、一反もめん、こなきじじいたちは出て来ないので、いつもの愉快な鬼太郎を想像して子供と見るのは、きついかもしれない。
残酷なシーンや内容がところどころにあった。
人間の愚かさ。
これでもかというほど、欲深く胸糞が悪すぎて感情がぐちゃぐちゃになりながら見た。
戦争の愚かさと人間の弱さ。
たまたま、前の日に見たゴジラ-1.0。
それにも、戦争のトラウマを抱える登場人物がいた。
事あるごとに脳裏にかすめる、死への恐怖。
戦争で見てきた人の醜さや理不尽な記憶が、いつまでも付きまとい、前に進もうとする心を苦しめる。
戦争で片腕を失った水木先生。
水木先生が生涯で描きたかったのは、人間の弱さや、戦争をやめられない人間の愚かさなのかもしれない。
この映画にはおそらく水木先生は関わっていないだろうが、映画を見終わったあと、そんなことも思ったりした。
エンドロールはかならず見て。
これからゲゲゲの鬼太郎を見て、
特に、目玉おやじを見るたびに胸熱になること間違いなしの映画。
もう一度近いうちに見る。
Amazonプライムを見れる人は、ぜひ見て欲しい。
ココ