ライブの良さを人に伝えたくて、どれだけ書いても何か足りない。
楽しかったとか素晴らしかったでは言い尽くせないほどの多幸感。
あー終わってしまったと帰り道のせつなさ。
これから何を楽しみにして生きていけばいいのか・・・
ライブって行けば行くほどもっと行きたくなる。
しぶしぶついてきた夫。
「えー、だれか友達さそえば・・・」
スターダストレビューのライブに夫を誘ったらそういう答えが返ってきた。
「行ってもいいけど曲あんまり知らないし」
洋楽おしゃれ系女性ボーカル好きの夫はあまり乗り気ではないのだ。
全く興味がないであろうライブに夫を半ば強制的に参加させた。
コロナは終盤とはいえ、それぞれ仕事や家族の事情も違うので
友達をライブに誘うのはまだちょっとためらわれた。
なんとなくこのコロナの3年間で、誰かをなにかに誘うことにためらいを感じるようになった。
人とほとんど会わないでいた3年間。
たぶん心配しすぎの私のコロナ対策。
気軽に誰かをなにかに誘うだとか、以前は普通にできたことの
やり方をすっかり忘れてしまった。
ちょっと寂しいことだが反面、家族と出かける機会が増え、その時間が大切になった。
コロナ以前。
スターダストレビューはライブを大切にしているバンドでわが県にも何回もツアーで来ていた。
20代の時に友達と行きずっとまた行きたいと思っていたがなんとなく行けなかった。
「気にしないで行けばいいじゃない」
そんな風に夫は行ってくれるのだが、まだ子供が小さい頃なんかは、自分一人だけが行きたいものに
夜出かける事はためらわれた。
いい年のおばさんなのだが、夜遊びに出かける事にいまだに罪悪感がある。
もはや誰にも怒られないのに・・・
去年引っ越したこの町に、珍しく来ると知り思いきって2枚チケットを買っていた。
悩んだ末、渋る夫を誘い待ちに待ったライブの日が来た。
な!最高でしょ!!!な時間。
そもそも夫は今回のライブをなめていたのだろう。
ぜったい暑いからと言ってもタートルネックのニットに革ジャンを着て行った。
たぶん座って歌を聞くリサイタルみたいなのを想像しているのだろう。
知ってるであろうヒット曲もポップスと言う感じだから無理もない。
スターダストレビューの活動は40年もの間ずっとライブが中心。
メガヒット曲はなくテレビの歌番組にもあまり出ない。
ボーカルの根本要さんが無名バンドと自虐的に言うが、その実力は相当のもので
ポップスだけでなくラテンのリズム、ロック、ジャズやブギウギ、会場がファンキーにダンスホールのようになったかと思えば、メンバー全員での本格的なアカペラも聞かせる。
めちゃくちゃおしゃれなおじ様たちなのだ。
そして何より、根本要さんのトークが最高に面白い。
さだまさしといい勝負だと言われている。
途中トイレ休憩があるのだが、その間もステージに残って
「血圧の薬飲んでる人~?」なんて手を上げさせて楽しませたりする。
そして休憩時間は、動画以外なら撮影も画像の拡散もOK。
トイレに行くのも勿体ないような楽しい時間。
3時間半のライブ。
今回のライブの少し前に政府の発表で声出しOKになり、会場は笑い声と歓声に包まれた。
わりと年齢層高めのお客さんが多く隣の席60代くらいのご夫婦に会場内のすいてるトイレの情報を教えてもらったりした。
ライブ中、様々な年代が一緒にめちゃくちゃ踊っている光景は、ほんとうに最高だった。
木蓮の涙という曲を歌い終わった。
根本さんはそっと涙をぬぐわれた後
先日旅立たれた笑福亭笑瓶さんのお話をされた。
笑瓶さんは昔ミュージシャンを目指すほど音楽が好きだった。
60歳になったら武道館で一緒に無料でライブやろうなって夢を語ってた。
人を笑わせるのが好きで、偉くならないようにしていた。
偉くなると周りが気を遣うから。
そんな思い出を話されていた。
だから言ったじゃん。
楽しい時間はあっという間に終わる。
腕をぶんぶん振って踊りまくり、汗をかきライブが終わって帰り道。
「最高だった!」と夫。
汗びっしょり。
ライブにニットは失敗だったね。
余裕があってカッコよくて、憧れる60代だな。
あんな風に優しい年の重ね方をしたい。
当たり前の日常を家族で過ごせることを大切にしたい。
スターダストレビュー。
心が温かくなる時間だった。
ココ