生きる

車中泊の次の日分かる布団のすばらしさ。

生きる

日々の生活。
毎日のようにどっちにするかの選択の繰り返しだ。
右に行くか左に行くか?

その都度どちらにするか選びながら進む。


選んだ瞬間にこれは間違っているのではないかと
感じる胸騒ぎ。


たいてい当たる。

億劫だった外出。


最近なんとなく心が疲弊していた。
家から出るのがやばいくらい億劫だった。

東北なのでそれほどの猛暑でもなくお出かけ日和が続いていたのに。
もったいないのは分かっていた。



子どもが3人家にいた頃の夏休みはどうやって楽しませようかと毎日忙しく計画していた。
今、家にはは女子高生になった次女のみなので、そもそも親とは行動しない。


今年は単位がやばいのか息子も帰省せず、予定と言えばお盆に夫の実家に行くくらいだ。

コロナは軽症の場合も多いとはいえ、かからないに越したことはない。
我が家に限らず何の仕事でもそうだとは思うが、夫の仕事はわりと感染が望ましくない職業のため、遠くに旅行して帰ってこれなくなったりしたらまずい。

次女は夏祭りも兼ねて、前に住んでいた土地の友達の家に電車で泊まりに行った。
一泊だというのに浴衣だ着替えだと大荷物で出発した。
心配だが家に閉じ込めておけるわけでもなく気を付けてと見送った。

なんだかコロナのストレスなのか色々と考えるのも面倒だ。


夫にどこか出かけようかと言われても正直まったく気が乗らない。
今年は夏祭りも目白押し。
どれもコロナ禍久しぶりの開催で素晴らしいはず。
なのに、今じゃない気がしていた。

それでもしつこく夫がどこかに行こうと誘うのは、おそらくわたしが最近いつもと比べてあまり喋らなくなったからなのだ。



普段夫はほとんど話さない人なので、私が黙ると家の中が静まり返る。

普段は生返事を返したり返さなかったりな癖に
やはり妻があまりに静かなのは気味が悪いようだ。


だるいわ。


重い腰を上げて。

色々なブログを見て車中泊がやってみたかったのを思い出した。

人との接触を避ければいいし予約もいらない。

道の駅などに泊まって車で寝るという非現実的な事をしてみたかった。

小さい子供連れではないし、大人二人なのでどうにでもなりそうだ。

そのことを言うとやっと私が出かける事に前向きになったからか
夫がやる気を出して早速ホームセンターに道具を買いに行った。

たぶんこんなに急ごしらえで用意して出かける人はあまりいないだろう。
Amazonを調べることなく最安値や口コミを見ることなく夫がサクッと決めて買い揃えた。
内心とんでもない予定外の出費だと思ったが、この勢いのほうが挑戦できそうな気がした。

どう考えても二人しか寝れないし、あまり快適じゃなくてもどうせはじめてだ。
次回から何を改善すればいいかの為にチャンスだし一回泊まってみよう。

そんな感じで車中泊用のマットを買って、タオルケットやら家にあるカップやらを積んで午後になってから出発した。

夫に行き先は任せた。

途中、コロナ禍になって初の夏祭りに寄った。

少し密だったが久しぶりの祭りを見た後、食料を調達してネットで見た道の駅を目指す。

家でうだうだしていた時からは全然信じられないほど行動的だった。
そして午前が昨日の事のような随分経ったような感じがした。

しばらく車で走ると海の匂いがしてきた。

左手に夜の海を見ながら走る。

右手は山になっていて道の駅はそちらにあった。
まつり期間中にしては混んでいない穴場。

向かい側左手の海側にもかなりの台数が停めれる駐車場がある。
海が目の前なのだが人がいなすぎるし道の駅から少し離れていた。
信じられないくらいがら空き状態。

夫は迷わず海側に入る。

私「人がいなすぎるからやめよう」

夫「いないほうが気楽じゃない?」

「いやいやいや怖いから」

「いやいやいや大丈夫だって」

「道の駅があるほうが色々便利だし安心だって」

「いや海の音が聞こえるところで寝れば気持ちいいって」

「なんか怖いからやだ」

「大丈夫だってば」

やけに今回の夫は負けなかった。
そして私はいつもよりなんかどうでも良かった。
寝るだけだからいいか。せっかく準備してくれたし素直に従おう。

そしてこの選択がまさかあんな夜になるとは。

前半最高。後半恐怖。

車を海の目の前。駐車場のはじに停め寝床の支度をした。

マットを敷いて車内が見えないように布を窓に挟んでカーテンの代わりにした。
貸し切り状態の駐車場で椅子を出して遅い夜ごはんにした。

遅かったので火を使うのはつぎの日の朝にでもやることにして、買ってきたつまみや弁当だったが外で食べるのは美味しい。

波の音を聞きながら、上を見るとものすごい星空だった。
涼しい風が海から吹いてきて、月も綺麗で近い。

確かに人がいないのは気楽だと思った。

片づけをして横になる。
最初は興奮して眠れなかったがしばらくして移動の疲れからか眠りについた。

なにか真っ暗な海なのに少しだけ眩しいような気がして目が覚めた。

半分眠っていた私の脳が一瞬で覚醒するような嫌な感じがした。

やけに大声で電話で話す声がしていて外にライトを思いっきり照らした外車と輩がぞろぞろいた。

そして普段あまり聞かない内容が耳に飛び込んできた。
電話をして話している男。

エメラルド、5億円、あいつをぶっとばす、女、現地調達、まじぶっ殺す・・・
言葉にまったく訛りはなかった。
出てくるワードが物騒すぎて恐怖で歯が一気にカチカチする震える怖さ。

まじかー
なにこのじょうきょう。

おまけに何をしているのか金属バットか鉄パイプを転がすようなカランカランという音がしている。



耳を澄ませて聞いた感じでは、
電話をしている先輩の男がリーダーで
後輩の男が数名で
偉いのか敬語を使われているおじさんが一人いて
女が一人。

こんな感じだった。

そしてたぶん電話の向こうがボス?

こんな騒ぎの中信じられないくらいのいびきで爆睡している夫の耳に口を付けて

「起きろ!」

言いながらびっくりしてむくッと起き上がろうとした体を抑えつけた。

「起き上がるな!」

少し寝ぼけた夫に状況を説明した。

私の頭の中は、
あぶない刑事の横浜の埠頭で闇取引の現場に居合わせてしまい
口封じで消されてしまう。
みたいな状況になったらどうしよう。
そんな妄想でいっぱいだった。

想像では辰吉丈一郎似の先輩の男が後輩の手際の悪さを大声で叱っていた。
そして音楽をかけろと言い、次の瞬間ものすごい大音量が流れた。

久保田利伸のララララブソング
今も変わらぬ名曲。

久保田は好きだけど今は聞きたくない・・・

時計は0時30分。たぶん30分くらいしか寝てなかったようだ。
このまま長い夜になるのだろうか?

偉いおじさんが若いお姉ちゃんに星座を解説し始めた。

「わかる?あれがほくとななせいでねー」


日本大北斗七星伝説 (青林堂ビジュアル)

夫がひそひそ声で言う。
「ねえ北斗七星をななせいって言ってるよ」

こういう時にそこを気が付いて笑う夫が信じられなかった。
今はそれどころではないではないか。

その場から逃げたかったがものすごく位置が悪い。
まずい事に完全に車が囲まれている。
なんで、はじっこに向こうを向いて停めたのか。
ここからどうやって逃げればいいのか?
大音量の久保田利伸を聞きながら朝まで寝る自信がない。

そんな状況で数分経った。

もう一台の車が来た。
現地調達
電話でそんなことを言っていた女たちがやってきたらしい。
こいつらは浮足立っている・・・?
今がチャンスかもしれない。
夫に聞いた。

「このどさくさに紛れて静かに車をバックのまま駐車場の反対のはじに移動できる?本格的に宴会が始まってこいつらが酔っぱらうとたぶんもう逃げれない」

「やってみるか?」

「すごい長いバックだけど見える?大丈夫?」

「余裕」

夫が静かにエンジンをかけた。

エンジン音に気が付いたのかちょっと視線を感じた。


どうぞ皆さまごゆっくり

できるだけ平和に見えるそんな顔をして目を合わせないように横に乗っていた。
でも手にすぐ電話できるように交番の番号のページにしたスマホを持って。

長い長いバックだった。
なんとか無事に脱出して広い駐車場の反対のはじに移動した。
心強い事にもう一台車中泊がいたので近くに停めた。

途中でからまれなくてよかったとホッとした。
寝たのか寝てないのか分からない感じで朝になった。

たぶん単なる騒ぎたいマナー違反なグループだったのだろう。
それにしても怖かった。

初めての車中泊は、こういう場所はだめという勉強になった。
うちの夫はいくら話したところで聞いちゃいないから、このくらいの経験を実際に最初にしてよかったのかもしれない。

今までいろんな場面で夫の選択は毎回危険がはらんでいる事が多かった。

そして、

「こういう事があるから思い出に残るじゃん。」

と毎回まったく凝りない。

あの時こっちを選んだばっかりにが多い。

それでもこんな日常とかけ離れたピンチのおかげか
なにかどんよりしていた心が
軽くなったような気もする。

大ピンチからの脱出なんて
そうそう経験できるものではないかもしれない。

夏の思い出になった。

                  ココ

                 


コメント

  1. ココココ より:

    moccheeさんこんにちは。
    車中泊のこと知らなさすぎでした。
    これからmoccheeさんブログを読み勉強します。
    マナー違反しないようにとか、
    なにより安全。
    コンクリで固めらるとこまで想像しましたよ😁

  2. mocchee より:

    いや~~!怖い!
    そこに追い打ちをかける「ほくとななせい」www
    私も車中泊の旅を3回ほどしてブログにも書きましたが、私はこういうのが怖いので車中泊してる人がいる道の駅で寝るようにしてます。知らない人たちですが仲間がいるのは心強い。
    ただ道の駅ですから、車外に椅子を出したり外で飲食はできないんですけどね…。

  3. ココココ より:

    五郎さんも車中泊の先輩なんですね。
    是非ともノウハウをブログかなんかで教えて欲しいです^m^
    本当にもうだめかと思いました。

  4. ココココ より:

    たまぞうさん
    おっかなかったよー。
    海に沈められるかと思った😆

  5. たまぞう より:

    臨場感がすごい@@
     ご無事でよかった;
     でも、思い出に残る経験ですねv

  6. スティンガー五郎 より:

    私も車中泊が大好きで色々なところに行きます。
    大抵は車中泊が許可された道の駅などに泊まりますが、夜中に聞こえる声って本当に怖いですよね。
    最初は「うるせぇ~なぁ!」くらいに小腹を立てる程度なのですが、明らかに普通の人種とは違う方たちとの第一種接近遭遇は本当に避けてこの先の人生を歩んでいきたいと思っています。

    それにしても、何もなくてよかったですね!

  7. ココココ より:

    こはるおとさん。
    帰ってきて家の布団で寝たときの安心感ったらなかったです^m^
    出かけると変な目に遭いがちな我が家です😖

  8. ココココ より:

    どっ子さん^m^
    ほくとななせいは確かに若干突っ込みたかったけど
    あの状況でちょっとニヤニヤしてたのが、驚きでした笑
    お盆って疲れますが、頑張りまーす。

  9. ココココ より:

    nick ollieさん
    そうなんですよー。
    どっしりなのかなんも考えてないのか😖
    朝まで騒げるって元気だなーって呑気なことを言ってました

  10. ココココ より:

    akazukinさん
    実は私も同年代じゃないかと思いました^m^
    本当におっかなかったです。

  11. ココココ より:

    もりりんパパこんにちは。
    コメント嬉しいです^m^
    やはり安全第一だと初車中泊で思い知ることとなりました😖
    もりりんパパのブログでもっと勉強しなくては。
    これからもよろしくお願いしますm(__)m

  12. すごい経験ですね…本当に日常とかけ離れた体験、怖いけどある意味思い出ですね…
    家で安心して寝れるのが一番いいかも…と思っちゃいました^^;

  13. 土偶のどっ子 より:

    怖かったですね〜😱💦そんな状況で「ほくとななせい」で笑ってるだんなさんって大物😆
    お盆は、怖い思い出じゃなく、楽しい思い出になったらいいですね。お嫁さんとして、頑張ってきて〜🎵なんだかんだで、お盆って疲れますよね~😅

  14. Nick Ollie より:

    うっはー、怖い。気持ち良い海沿いだったはずなのに。夜だから余計と怖く感じるんだろうね。
    ダンナ様、どっしり構えてるタイプなのかな。頼もしい。

  15. AKAZUKIN より:

    えーー!そんなことが!!
    しかしララララブソングをかけるあたり、年齢的に私と近そうな気が^^;
    危ないことにならずでなによりです。。

  16. もりりんパパ より:

    いつもお世話になっております!

    しかし…ひぃぃこわいこわいこわいw
    僕は子どもがまだあんなんなのでどうしても安全地帯を探して車中泊をしていますが、やっぱりそれで良かったと思えてしまいました(;^ω^)

    海辺とか景色の良い公園とかいいなって思うんですけどね、輩が怖いので結局諦めてしまう僕です。

  17. ココココ より:

    鳥天さん
    まじで最初は闇取引の現場なのかと思って覚悟しちゃったよー。
    最後にどんな見た目か確認したかったのに、明け方ちょぴッと寝た隙にいなくなってて
    残念だった😂

  18. 鳥天 より:

    コンクリで固めて沈められなくて何より。
    これは滅多にない経験、どうせ眠れないんなら移動せずに聞き耳立てていたいわ(*´艸`)
    単なるイキったわかものか、ガチやくざか見極め憑かないと怖いよね~
    ひと夏の経験だ