私について

おばあさんの口から宝石のことば。

私について

この世は嫌味にあふれている。
血沸き肉躍る他者批判。

毎日上手に嫌なことを周りに言う人。

きっと朝トイレに入るのと同じくらいの自然なルーティーンなんだろう。



昔はかわいいやつだったのに。


私もおばさんになるごとに言葉に皮肉を混ぜるのがどんどんうまくなってきた。
腹に蓄積していく脂肪と比例して、理屈が増えていく。
テレビを見ながら見るものすべてにツッコミを入れる。
そんなご意見おばさんにはできればなりたくなかった。

若い頃は言われた嫌味の意味を
何日か経って夜中の布団の中でやっと気がつくタイプだった。
布団からおもむろに、がばっと跳ね起きて
「なんだと!あれはそういう意味だったのか!」
だいぶ前の事にようやく気がつく。

いつも反応が遅かった。

それが今では
相手の嫌味に秒で気がつく。
ことばの裏の裏までも。


機嫌がいいというのは神。

人のいいところを褒める褒め上手になりたい。
この頃はそういう人になりたいと強く思うようになった。


訪問介護の利用者さんで
とんでもない褒め殺しのおばあちゃんがいた。



ピンポンを押す。
ドアを開ける。


あらまーよく来てくれました。
毎回行っただけで大歓迎してくれる。

自分の母などはピンポンして丸いのぞき穴を見つめながら
いつもなんだかドギマギする。
今日の機嫌とテンションがどんな感じか分からないからだ。

考えてみるといつでも笑顔で迎えるというのは凄いことだ。
そのおばあちゃんは毎回必ず満面の笑みだった。


窓を開けただけで
風が入ってさっぱりする。
掃除機をかけると
すごく丁寧。
台所を片付けてシンクを拭くと
あらあらよく気がついて
お風呂を洗うと
拭き上げまでしてくれるなんて感激
灯油の缶を二個も一気に運べるの?凄い力持ち。
あなたが動いてるのを見るとコマが回ってるみたいで元気が出るわ。


毎回毎回一時間何かやるたびにその調子だ。

褒めすぎなので少し照れる。
ちょっとやりすぎなくらいの賛辞。
でもやはり嬉しかった。

団地で一人暮らし。
一人が好きと言っていた。

肩が痛くて高いところのものが取れず
目もだいぶ悪くなっていた。
仕方ないわよ年なんだからと笑っている。
自分の機嫌を自分でとれる人はかっこいい。

小さい頃見た童話。
水を汲みに行かされた優しい娘は、神様が魔法をかけて
何か言葉をいうたびに口から真珠が出てきた。
私はその本の挿絵が好きだった。

あのおばあちゃんからは真珠がでそうな心地よい言葉が出ていた。
よその人に対してだからといえばそれまでだが、
なかなかできるものではない。
元気でいるだろうか。




ペロー童話集(完訳) (岩波文庫 赤513-1) [ 新倉 朗子 ]

凶器にもなる言葉。



誉め言葉。

こんなにも相手のメンタルにいいものはない。
褒められると誰だって嬉しい。
眉間のしわも減りそうだし人相も良くなりそうだ。

お金だってかからない。

でも残念ながら相手を徹底的にけなすことを生きがいにしている人種がいる。

イライラをいつまでもしつこく練り上げ絡みつく言葉。
そんな人は土下座してひれ伏すまで相手を責めるつもりなのだろうか。



私の知人は大昔。
まだSNSなどない時代。
ネットの掲示板で見当違いな誹謗中傷で心を病んだ。
誰の事か少しだけ分かるような巧妙な言葉で一年以上批判を受けた。

感情だけで発信する言葉。
その威力と怖さ。
それを見せつけられた出来事だった。



思えば自分も今まで嫌なことを人に対して言ったことがないかと言えば
数えきれないほど言ってきた。

自分にとって理不尽で腹が立つことがあって
カスタマーサービスに電話して論破した。
「最終的に謝らせた。」
そんなつまらない事を食卓で自慢げに語ったこともある。


夫にだってそうだ。
「ほらみたことか。」
そんなことばかり言っていた。

家族でめんどくさいのはいつもお母さんである私だったかもしれない。





昔読んだ童話。
あの話のつづきにはいじわるなお姉さんが出てきて
嫌な事ばかり言うお姉さんは、魔法をかけられ
何か言葉をいうたびに口からヘビや毒蜘蛛が出てきた。


優しさは演じてもいい。




人は生まれてから何人と出会って会話をするのだろう。
今はインターネットでも人との出会いがある。
顔を見たことがない相手であっても、
様々な人と知り合える。

偶然話すことになった相手とは楽しくて優しかった
あの素敵なおばあさんのように言葉を交わしたい。

まだまだぜんぜん修行が足りない。
それでも・・・



いつかはなりたい。
優しい言葉の数々。
真珠が飛び出すようなおばあさん。

                      ココ

コメント

  1. ココココ より:

    やよいさん
    言葉の暴力は実際の暴力より痛いよね。
    自分も発してないか最近とても気になります。

  2. やよい より:

    昨日のブログにも書いたけど、
    内面的な病気は目には見えない。心無い人からの中傷で傷ついて昨日辞めた社員。

    人は傷つける言葉を簡単に発してしまう。
    私も優しい言葉で接することを目指します。

  3. ココココ より:

    Mayaさんこんにちは。
    自分と違う考えに出会った時
    不機嫌にならずに反応しない
    他人の生き方を認める
    それを考える今日この頃です(*’ω’*)

  4. ココココ より:

    primex64様コメントありがとうございます。
    稚拙でまとまりのない文章ですが、感想を頂けてとても嬉しいです。
    悪意の広がるスピードが最近更に早くなったような気がして、残念な気持ちになります。
    せめて自分からは悪意を発しないようにして生きて行けたらと思っています。
    でもすぐ忘れてしまい、何度も再確認中です。

  5. ココココ より:

    マーシャさんありがとうございます。
    マーシャさんは私の中の優しいランキング上位です。
    見習いたいと常に思っています(*’ω’*)

  6. ココココ より:

    Nick Ollieさん
    頑張ってるとついねー、とっさにそうなちゃう時がある。
    自己嫌悪ばかりだけど、その回数がちょっとずつ減ればいいかなと思ってる(*´з`)

  7. ココココ より:

    鳥天さん
    最近そういうの本当に悲しくなってしまうんだー。
    ご機嫌でいるって自分も相手も幸せにするよね。
    裏で悪口、怖いなー。
    言われてるかもだけど気にしない気にしない(*´з`)

  8. ココココ より:

    どっ子さん言葉は火って本当にそうだなって納得しました。
    私は人の言葉に傷つきやすく、でも考えてみると自分の傷には気がついても
    つけてるほうには鈍感だったような気がします。
    真珠のおばあちゃん。
    本当に素敵でした。

  9. ココココ より:

    五郎さん
    自分でも綺麗ごと書いたなって少し思ってます。
    本当に年取ってきたらだんだん自分がそんなに威張れる人じゃないって分かってきて
    せめて優しくなろうって決心だけはしました(*´Д`)

  10. ココココ より:

    アスポンさん
    優しさは演じてもいいと思っているのですが、人間なんでなかなか難しいときもありますね。
    正義警察私も嫌いです。
    人に興味を持って近づいた時に、自分と違う考えだったとして
    そういう考えもあるのねってサラッと流せる人でありたいです(*’ω’*)

  11. ココココ より:

    akazukinさん
    そうなんですよね。どうしているだろうなって寂しく思ったりしますね。
    末永くつながって行けたらと思います(*’ω’*)

  12. ココココ より:

    まべさんお元気ですか?
    顔も知らないからこそ
    文字からくるイメージってありますよね。
    まべさんの文章は斜めの席に座ってる気になる人って感じです。

    わがままに好きな人とゆるくつながっていきたい今日この頃です。

  13. ココココ より:

    Tani様コメントありがとうございます。
    悪口で自分の心が晴れるわけないですもんね。
    私も素敵な人になれるように、最初は意識的にでも優しく人に接して生きていきたいと思います。

  14. Maya より:

    ”自分の機嫌を自分でとれる人はかっこいい”
    深く心に響きました。

    言葉って、どこから来るのだろう。
    冷静に見つめられる自分でありたいです。

  15. primex64 より:

    含蓄のあるお話、興味深く拝見しました。
    人間は綺麗な部分と汚い部分を持っており、たまたま言語として外部に発出された際に様々な効能、また害悪を撒き散らすものです。ネット社会となり、以前のようなヒューマンで遅速なコミュニティとは違った対応が求められています。特に、僅かな悪意がマッハ級の速度で広範に伝播する特性には要注意ですよね。清濁併せ呑める「大人な」老人になりたいものですわw

  16. きままなマーシャ より:

    私もココさんと同じこと思います。
    言葉ひとつで人の心は強くも弱くも
    壊れることもありますね。
    絶対壊してはいけない。
    人は自分の心を映す鏡。
    ニコニコと笑顔で話してもらえる人でありたいです(*^_^*)

  17. Nick Ollie より:

    私も優しい言葉を言える優しい人間になりたい、という気持ちはすごく持ってるつもりなのに、いざとなるとイヤミがどんどん言えちゃうという、、、 なんか言いたくなっちゃうのよね。反省するけど、またイヤミおばさんになっちゃう。時々自己嫌悪。

  18. 鳥天 より:

    ニンゲンだからたまに恨み言や愚痴、悪口吐くのは良いけれどさ、ネットで誹謗中傷罵詈雑言を書き連ねる人は悲しいなぁ~哀れだなぁって思うよね。楽しい事だけあるわけじゃないけれど、自分の負の感情を誰かにぶつけることはあんまりしたくないよね。
    でも、表ではイイヒトだけれど裏では悪口書き連ねる人も怖いと思う。

  19. 土偶のどっ子 より:

    言葉って、火みたいだなっていつも思うんです。人を暖めることも出来るし、焼き殺すことも出来る。使い方一つで人を助けることも出来るし、逆に殺すことも出来る。
    何のために言葉ってあるんだろう?って考えたら、きっと、人を気持ちよく、心をあったかく、前向きにさせるためにあるのだと私は思っていて😊
    だから、人より優位に立つためだけに言葉を使う人が世の中にはたくさんいるけど、言葉の使い方がそれだけで人生終わってしまったら、どんなにつまらない、悲しい人生だろって思います。
    その出る言葉が真珠のおばぁちゃんに私も会いたいなぁ。会って元気もらいたぁい🤭

  20. Tani より:

    こんにちは、

    人のことをあれこれ悪くいうのは、
    結果的に相手や自分の心を暗くするように思うんですね。

    素敵なおばさんのようには、なかなかいかないですが、
    少しでも近づきたいものと思います。(^_^)

  21. スティンガー五郎 より:

    自分のご機嫌は自分で取る。
    なかなか出来ないことですよね。
    知らない間に自分の生の感情を家族にぶつけたりして、本当に嫌な人間だなぁ・・・・・と、自己嫌悪に陥ったりします。

    相手を気遣えない分、自分のことは自分で労れ!
    って思うんですけど、なかなかどうして・・・・・。

  22. 言葉の語彙も年々増えるし、経験も増えていくから
    すぐに目の前で見ている色んな問題に気付き
    突っ込み入れるのも早くなるのも当然かと思います。

    若い頃は、嫌味の意味に気付くのも遅かったのは、
    人生経験に乏しいからですよね。

    言葉だけならタダなんだから、
    タダの物で人を気持ちよくさせる事ができるのは凄いですね…(*’ω’*)

    訪問介護の利用者のおばあさんはなかなか凄いですね。

    窓をあけたら、「風が入ってさっぱりするわね~」とか
    「アナタが動いてるのを見ると元気が出るわ~」など
    何にでも感謝の心を示すのが上手のようですね。

    遠い30~40年以上前の記憶ですが、ポリアンナを思い出します。
    小さな幸せを見つけるのが上手な少女の物語。

    良かったところ、感謝すべきところを探すのが上手な人。
    こういう方が本人も周りも幸せです。
    本当、口から真珠が出そうですね。

    相手をけなす事を生きがいにして、相手が屈服するのを
    勝った!事と思い喜びにしている人はいますね。

    議論で勝つ事ばかりに生きがいを感じるのも問題です。
    SNS見てると気持ち悪いのが
    「正義警察」です。
    これが正しいと言って人をとことん叩く…。
    正しかったとしても、勝敗にコダワリうち負かす事、
    屈服させる事に喜びを感じるのは不健全ですね。

    真珠が出るかわりに意地悪すると、蛇や毒蜘蛛が出るんですね。

    優しさは、演じてもいいのですね・・・
    きっと演じているうちに本当に優しくなれるかもしれないですよね。

  23. AKAZUKIN より:

    ネットでの出会いもひとつのご縁ですもんね。
    最近、ブログをやめられる方が多くて、ちょっと寂しく思ったりしております。。

  24. まべ より:

    どうも、ご無沙汰しております。
    顔も知らぬまま交流している1人です(꒪˙꒳˙꒪)!

    この、文字の世界はとても良い
    それこそ、ここでなら常に機嫌良く過ごせている・・・気がする
    そんなことを思う今日この頃、良き時代となったものです