完全に油断していた。
焦っている。
雪道を歩きながらとっぴょうしもない音楽が頭を流れている。
気合を入れて歩こうとしているが体が重い。
今朝久しぶりにデニムをはこうとしたら、
自分が太った事にようやく気がついた。
気付くのが遅いが秋に余裕で履けたものがぴっちぴちになっていた。
思えば冬の訪れと共に私は肉活をして着々と自分に肉を貯めてきたようだ。
年末はふるさと納税で普段は食卓に登らないような肉を食べた。
正月が終わってから、2年ぶりに大学生の息子が帰省したのでそこからまた二巡目の怒涛のフードファイターの日々が始まった。
夕方早目に第1晩ご飯を食べた。
夜になり正式な第2晩ご飯を食べた。
夜中に手づくりチャーシューをたくさんのせたラーメンを食べた。
数時間後の朝に餅を食べた。
「コロナで頑張ってるんだもん。食べるくらいいいじゃん」
こんな理屈で血糖値が爆上がりして食後に気絶したように誰かが寝ていても知らんぷりだった。
今、確実に積み重ねてきた肉活が結果になって出ているのだろう。
現実に気づいていなかった。
最近の自分の着るものも原因だった。
少し前。
思うところがあってかなり持ち物を断捨離をした。
80年代や90年代の服が新鮮という親戚の子にあげたり、娘におさがりにした以外はかなり処分した。
これからミニマリストでいこうと思った。
普段下に履くものを合わせやすい黒のスキニーを選んだ。
冬場は少しストレッチがきいたものを何本か用意して履いていた。
冬はデニム生地が乾かないという理由もあったがなにより楽チンだった。
昔おばさん達がゴムのらくらくパンツを履いてるのを見て「くそだせぇ」と思っていた。
今自分がはいてるのも全く同じなくせにストレッチという言い換えでらくらくパンツとは
違うと思っていた。
それを履いて厚底のドクターマーチンやごつい冬用のブーツを履いていたら
「足が細いね」
中身を見ていないから勘違いした友人に1度褒められたことがあった。
完全に目の錯覚か単なるお世辞だったのに、自分が細い人の気分になっていた。
飽き性なんだろう。
秋まではものすごく歩いていた。
筋トレのアプリを入れて寝る前にやったり、スクワットもした。
でも根が飽き性なのでブームが去ると途端にやる気がなくなってしまう。
これは息子も遺伝している。
過去に砂糖を食べないというストイックな挑戦を1年間やったことがある。
アトピー体質なのに、チョコレートが大好きで一日何個も食べる息子だった。
ぼりぼり掻いてるのを見てどうにかならないかと色々調べた。
そんな時に砂糖を食べないと劇的に良くなるという本を見つける。
砂糖を取りすぎる→余った糖がタンパク質とくっつく→糖化して皮膚に溜まる→炎症を起こして痒い。
正確かは分からないが、たぶんこんな仕組みだった。
砂糖を食べすぎると顔まで老けると怖いことが書いてあった。
息子は、また母がなんかややこしい事を言ってるぞという感じで聞いていたが
置いてある本を読んだようだった。
本の説明が良かったのか
「今度甘いの買ってこないで」
そう言ってその日から1年間。
ご飯は普通に食べるが甘いお菓子をいっさいやめて、飲むのはミネラルウォーターかお茶という意識高い系モデルみたいなのを続けた。
友達とラーメン屋とかマックは行っていたが甘い物だけは一切食べずにいた。
だんだんそんな自分がかっこよく思ってる感じもあった。
その気になりやすくて私にやることが似ているのでよくわかる。
ミネラルウオーターの味がわかるようになっていた。
周りも最初はわざと食べさせようとしたりしていたらしいが、味覚が変わって全然食べたくなくなっていたらしい。
今は大学生で離れているのもあってすっかり甘党に戻っている。
私もその時は自分で勧めた手前、息子に付き合った。
最初は辛かったがそのうちスーパーのお菓子売り場もスイーツも全く興味なくなり数ヶ月たつと、試しに食べたチョコレートが味が濃くて甘すぎると感じた。
だんだん水と野菜が美味しくなって、肌の調子も良く疲れにくくもなっていた。
小太りはいちばんやっかい。
いいことづくめなのは分かっているのです。
あれをもっかいやればいいのだろ。
ラミーもメルティーキッスも好きだがもうやめよう。
とりあえず太ったと自覚はした。
あまりストイックにやってもぜったいに続かないので、
少しづつダイエットをしなければ。
今は布団を干す道具になってしまったトランポリンを毎日5分飛ぶ所からはじめます。
ココ